
サステナブルピープル Vol.11
井筒屋グループは、企業の社会的責任を果たすべく、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献し、人々の豊かな未来と持続可能な(サステナブル)社会の実現を目指してまいります。本企画では、人と地域をつなぎ、豊かな未来を創造していくために、さまざまな業界のフロントランナーたちのお話を伺います。

株式会社西原商事ホールディングス
常務取締役 成田 詩歩 さん
1990年北九州市生まれ。九州国際大学で国際関係学を学び、第二言語でインドネシア語を専攻。インドネシアに携わることができる就職先を考える中、2012年にスラバヤ市に廃棄物処理センターを建設した同社の存在を知り、2013年に入社。1年目からスラバヤ市に赴き、J I C Aや環境省、北九州市と官民連携での海外事業を3年半にわたり担当。帰国後は法人営業や企画部部長などを経て現職。2025年に創業した子会社「株式会社リビットジャパン」の代表取締役を兼任。プライベートでは2児の母親という顔を持つ。
昭和47年に古紙問屋として北九州市で創業し、北部九州エリアで廃棄物処理・資源物リサイクルを中心に事業を拡大している「株式会社西原商事ホールディングス」。同社はD X(デジタルトランスフォーメーション)にも積極的に取り組み、システムやアプリの開発、コンサルタント業など、環境に関する幅広い業務を国内外で手掛け、アイデアと行動力で業界を牽引している企業です。
今回ご登場いただく成田さんは、入社してすぐ海外事業を担当するなど、溢れるバイタリティーで数々の事業に携わり、30代の若さで常務取締役に就任。歩みを止めることなく廃棄物処理の課題解決に向けて、さまざまなアプローチを続けています。
・・・成田さんが現在、主に取り組んでいる業務について教えてください。
2025年、資源循環を促進する次世代型リサイクルボックスを開発・運用する「株式会社リビットジャパン」の社長に就任しましたが、そちらはまだ走り始めたばかりです。今は「株式会社ビートルエンジニアリング」が2027年2月、若松に10拠点目となる新しい工場をオープンさせるので、それに向けての準備などが主な業務です。新工場『プラリー』は投資の金額も今までとは桁が違いますし、弊社としては肝入りの事業です。
・・・廃棄物処理の仕事に携わっている中で、感じている課題はありますか?
やはり家庭において “分別”は面倒なものです。プラスチックの仕分けを促進する出前講座などで、市民の方に説明すると「プラスチックは分けてもまた燃やしてるんじゃないの?」という意見が多いんです。そこで、ゴミがリサイクルされた最終形を実際に見ていただけると、より分かりやすく理解してもらえるのではないかと考え、地元の企業と連携して「小学校用のエコなひきだし」や、サッカーチーム「ギラヴァンツ」さんと選手のユニフォームをかけるハンガー「ギランガー」などを作っています。

「ギランガーとエコなハンガー」
画像提供「株式会社西原商事ホールディングス」様

「エコなひきだし」
画像提供「株式会社西原商事ホールディングス」様
とはいえ、この分野は難しい言葉が多いですよね。脱炭素、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、などなど。環境の仕事に携わっていれば耳馴染みもあり理解もしていますが、普通に暮らしていればそんな言葉はあまり聞かないし、生活にも全く関係ないんです。私も家に帰れば母であり妻でもあるので、その感覚はよく分かっているつもりです。ただ、国や自治体が脱炭素社会に向かって力を入れている方向性と、一般家庭とのギャップをすごく感じるので、そこが大きな課題だと感じています。
・・・そうしたギャップを埋めるために、新たな事業が立ち上がったのですね。
無理にギャップを埋めようとすると、埋められる側はきついと感じてしまいます。おそらくサステナビリティの分野は、ついついやってしまうとか、続けてしまうとか、やりたくなるとか、人をそういう気持ちにさせることで、初めて道が開けるものだと思っています。新会社「株式会社リビットジャパン」が手がける、次世代型リサイクルボックス「Rebit BOX(リビットボックス)」は、そうしたギャップを埋める一助になると思っています。
「Rebit BOX」は、単なる資源回収ではありません。例えば、危ないバッテリーなどが混入されても、A I判別機能で異物混入を防止するので適正に捨てられますし、投入量に応じてポイントが付与されるので、日常的に電子決済で利用できるポイントに変換可能です。
脱炭素社会につながる「分別」や「リサイクル」というアクションが、生活で使えるポイントに変えられるというのは、人々の動機に繋がります。これを機に、皆さんが「ちょっと分別してみようかな」と思ってくださることを期待しています。

画像提供「株式会社西原商事ホールディングス」様
・・・近年、脱炭素に向けた取り組みは企業にも求められています。井筒屋も長年、廃棄物の処理を御社に依頼し、ゴミの適正な処理だけでなくGX(グリーントランスフォーメーション)推進に向けた行動をサポートしていただいています。
長くお取引いいただき、ありがとうございます。廃棄物処理を通じて御社のCO2削減に貢献させていただいき、嬉しく思います。個人的にはインドネシアから戻り、法人営業を担当した際、井筒屋さんにはいろいろ教えていただきました。
2008年から弊社で独自に開発した廃棄物一元管理システム『bee-net』は、契約前の調整から実務のトレーサビリティー、請求支払いまでを一貫して一つのシステムで完了できる業界初のシステムです。利便性の高さから現在は全国で約22,500の事業所に登録していただいております。
世の中がG X推進に向けて大きく舵を切っていく中、2026年4月に『bee-net』は大規模なリニューアルを行いました。廃棄物由来のCO2排出量換算はもちろんのこと、資源循環の追跡やA I活用など、お客さまが必要とするデータをレポーティングし、顧客のGX推進をサポートする機能を追加しています。
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・・・産廃業界に先駆けてDX推進に挑戦しているだけでなく、ゴミ収集車のデザインを一新し、社屋の内装やユニフォームをスタイリッシュにするなど、業界のイメージアップに尽力されているのも印象的です。
例えば井筒屋のお客様に、ボロボロのトラックが店内に出入りしているところを見られたら、井筒屋さんの顔を潰してしまいます。私たちにとっては、お客様のお客様は、私たちのお客様でもあります。ですから、トラックや収集スタッフの制服を含めた“美観”というのは、弊社のブランディングのベースです。
また、工場や会社の内装などを快適にデザインし、従業員がいかに気持ちよく働くことができるかということにも、かなりこだわっています。会長(初代社長)は毎朝早くから工場に足を運び、従業員が暑くないか、寒くないか、快適に仕事をするためにはどうすれば良いのか…常に心を砕いてくださる姿に、会社の在り方が現れていると感じます。


・・・平成23年に国から「環境未来都市」に選定された北九州市。そのような都市で環境事業を行うことに、意義を感じることはありますか?
これに関しては私が1番、意義を感じているのではないかと思います。個人的な話になりますが、入社後すぐにインドネシア事業の担当になり、現地に行かせてもらいました。その時に驚いたのは、インドネシアの方々が北九州市の公害克服や、市民や行政、企業が力を合わせて環境問題に取り組んできたストーリーなどをご存知なんです。何処に行っても「北九州市?知ってるよ!」と言われました。現地にいる日本人の方からも「北九州市はすごい街だよね」という敬意の言葉をたくさんいただきました。
北九州市で生活していても、公害克服の歴史について知らない人が多いと思うのですが、私はこの仕事を通じて、北九州市のレガシーを肌身で感じることができました。ですから、先人たちから受け継がれたものを誇りにしながら、環境問題に深く関わるこの事業を、北九州市で続けていかなければいけないと感じています。

インドネシアにて
画像提供「株式会社西原商事ホールディングス」様
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・・・大学時代にインドネシア語を専攻したことが、現在の成田さんのキャリアを築いたと思いますが、インドネシア語を専攻した理由とは?
夫とも出会いましたから、インドネシアにはいろんな縁をいただきました(笑)。もともと青年海外協力隊やボランティア、貧困層の改善などに興味があったので、インドネシア語を専攻してみようと思ったのがきっかけです。
大学3年生の時にインドネシアに留学したのですが、現地では日本企業の駐在の方々と話す機会に恵まれました。会社では数千人を束ねて雇用を作り、経済を動かしている彼らの姿を見て考えが変わりました。それまでの自分は“奉仕活動”しか選択肢を持っていませんでしたが、産業を通した現地への貢献があることを、実感することができたのです。
帰国後は新たな視点で就職活動を行い、その結果インドネシアで新規事業を立ち上げた西原商事と出合うことができました。自分でも不思議な縁だなと思います。

北九州市環境局の企画により、
インドネシア事業が漫画になりました。
画像提供「株式会社西原商事ホールディングス」様
漫画本編は本編はPDFファイルでご覧ください
こちらから
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・・・入社1年目の成田さんが海外担当になり、現地に配属されたというエピソードにも驚きました。
当社では、年齢や性別、キャリアも関係なく、やる気があって伸びる人には役職に応じた、チャンスを与えてくれます。
最近だと、22歳の社員が持ち込んだ企画を事業化しました。ごみ回収プラットフォーム「DUSTALK (ダストーク)」というのですが、個人や小規模事業者がLINEで簡単にゴミ処理の見積もりと依頼ができるシステムです。一般廃棄処理業の許可を持つ業者にのみ依頼するので、不当な請求や不法投棄の心配もありません。
開発のきっかけは、ネットで検索した業者に、見積もりでは3万円と言われたのに全部運び出した後で30万円を請求されたという、発案者の過去の経験です。若手社員のアイデアが形になり、彼は24歳で責任者になりました。
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・・・若手の声がしっかり届く会社ですね。
会社が社員の思いに全力で応え、新しいことに挑戦する姿勢を示しているので、アイデアは生まれてきやすい環境かもしれません。個人的に思うのは、Z世代と呼ばれる若い人たちは会社や上司に忖度などせず、素直な心でまっすぐ思いや考えを伝えてほしいです。私たちX世代は、そんな思いをしっかりと受け止め、考えることで、強い日本を創ってきたY世代以上と生まれがちなギャップを、いい感じに馴染ませる役割であるべきなのかな。各世代がバランス良くそれぞれの役割を果たしながら、次の世代(α世代)にバトンを渡していきたいですね。
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・・・西原商事ホールディングスとして、今後の目標をお聞かせください。
廃棄物処理の仕事で楽しいと思うのは、どんな業種の企業さんもゴミは出るので、幅広い方々と接点が持て、いろんなお話ができることです。インフラの仕事はそこに魅力があると感じます。
とはいえ、先ほどお話しした「ギャップ」のような話は今後も広がっていくと思います。人口は減り、市場も狭くなります。ですから、会社としてどう生き残っていくかというのは、ずっと課題です。だからこそ「Rebit BOX」「DUSTALK」のような仕掛け作りなど、新しいことに挑戦し続けないといけません。また、どんな業種、業態の人も「楽にゴミ処理やリサイクルができる」仕組み、いわばプラットフォームビジネスには、今後もっと力を入れてやっていくべきだと思っています。
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・・・最後にお聞きします。成田さんにとっての“サステナブル”とは何でしょうか。
単純に“無理なく楽しいこと”でしょうか。実は去年、会社のテーマも【楽しいをもっと、嬉しいをもっと、もっと明日】に変わりました。細かいルールにとらわれることなく、仕事や家庭において、また自分の関わる人や地域、国も含めてみんなが楽しくなる方向へ、そして明日に向かって進もうと思えるようになれば、誰もがもっと嬉しくなる。テーマにはそうした私たちの思いが込められていますが、サステナブルも同じことかな。環境問題に関する取り組みに関しても、どこかに“楽しさ”がないと続かないし、人は動きません。ワクワクするような“楽しさ”を大切にしながら、これからもさまざまなことに挑戦していこうと思います。
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「BEETLE」というロゴや愛称で親しまれている西原商事ホールディングスは、地域との共創を目指しながら、多角的な環境事業に取り組む業界のリーディングカンパニーであり、そのような企業が北九州市にあることを嬉しく思いました。
とりわけ、成田さんとの会話で印象深かったのは「脱炭素とはやわらかく理解し、わかりやすく実行するのが良い。」と言われたことです。つまり「脱炭素とは無駄を減らすことで、より賢く快適な生活や社会を目指すこと。」と置き換えることで親近感もわいてきます。
持続可能な環境社会の実現を目指す井筒屋も、西原商事ホールディングスの協力を得ながら、脱炭素に向けた取り組みを続けていきたいと思います。
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【サステナブルピープルvol.10】
“北九州の味”を絶やすことなくつなげていく〜
株式会社ごとう醤油 代表取締役 五嶋 隆二さん
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