
サステナブルピープル Vol.10
井筒屋グループは、企業の社会的責任を果たすべく、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献し、人々の豊かな未来と持続可能な(サステナブル)社会の実現を目指してまいります。本企画では、人と地域をつなぎ、豊かな未来を創造していくために、さまざまな業界のフロントランナーたちのお話を伺います。

株式会社ごとう醤油 代表取締役 五嶋 隆二さん
1978年北九州市生まれ。東京農業大学で醸造を学んだのち、福島県の大手味噌メーカーに就職。3年間の修業を経て2003年にごとう醤油に入社。4代目として先代たちの意志を継ぐ醤油作りを行いながら、地元の食材を使った調味料の開発・製造にも挑戦。パンに合うムースやドレッシング、アイスクリームなど独自性の高い商品を通じて、醤油の新たな可能性を提案し続けています。。
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・・・老舗の醤油屋でありながら、これまで数々の新商品を開発していますが、そのきっかけとは?。
「いろいろとありますが大きなきっかけの1つは、2008年に東京の展示会に無添加の醤油を出品したことです。その時は自社のP Rを成功させて、東京で店を作るんだ!と意気込んでいたのですが、なかなかうまくいきませんでした。
その時、たまたま会場で知り合った同業者の方が大学の先輩だったこともあり、一緒に飲みに行ったんです。そこで「もっと地元を見なさい」と言われて、ハッとしました。そもそも無添加の醤油なんて、東京では当たり前の世界だったんです。
そこから“北九州でやる価値”について考え始めました。北九州って何があるんだろう、北九州ならではの商品とはどういうものなのか…。よく考えてみると、私は地元のことを全然知らなかったということに気がつきました。
地元の魅力を自分なりに見つめ直し、2009年頃から地元の農産物を主原料にしたブランド「北九州アグリ」を立ち上げました。四季折々の野菜を使ったドレッシングや、パンに塗る新感覚のパステルムースなどが看板商品。ちなみに、展示会でアドバイスをくれた先輩は大分県の醤油屋さんなのですが、今でもお付き合いは続いています。本当にありがたい存在です」。

それぞれの農家さんに、一番美味しい食べ方を聞いて商品開発を進めたという「ドレッシング」。地元の農産物を主原料にした調味料は、素材を活かすために無添加で製造しています。
旬の野菜ドレッシング(150ml) 賞味期限:製造より180日

パンに塗るほかにもソース替わりにつかう、といったアレンジもお楽しみいただけます。
パステルムース 各518円 賞味期限:製造より180日
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・・・地域ならではの魅力を取り入れ、さまざまな調味料を誕生させてきた五嶋さん。今回、井筒屋が目指す「地域商社構想」の第一弾として発表した「赤い冒険シリーズ」の開発に、そのノウハウや経験を活かしていただきました。
「井筒屋の担当者さんから、赤い冒険シリーズには“若松の旨味が詰まったトマトを生かす調味料が作りたい”という依頼がありました。そこで、まずお互いにアイデアを出し合い、試作と試食を繰り返しながら3つの商品を開発しました。最初は言葉だけのキャッチボールになるので、お互いのイメージを言語化するのが難しかったですね。例えば「もう少し和風っぽく」という意見に対して「じゃあ和風ってなんだろう」と考えたり。最初のイメージと若干異なる形になったものもありますが、最終的には満足のいくものが出来上がったと思っています。

井筒屋担当者との打ち合わせ風景
何より井筒屋さんと一緒に、地元に根付いた商品を作れる機会をいただいたことは、非常に嬉しいことです。弊社のブランド力もアップしますし、販路拡大など可能性を大いに感じています」。

画像左から
キタキュウトマ唐 (キタキュウトマトウ)
トマトの甘味、酸味に加えて、後からくるピリッとした唐辛子の辛味が癖になる味。たっぷりかけて使用した方がトマトを感じることができます。肉料理、パスタなどはもちろん、和食にも!
トマ味噌
お湯で溶けばすぐに味噌汁ができる優れもの。トマトの旨味と和風の出汁がマッチした、五嶋社長一押しの商品。野菜へのディップもおすすめ。
洋風ぬかだきソース
北九州の郷土料理“ぬかだき”。以前からごとう醤油で販売している“ぬかみそだきの素”を洋風にアレンジ。ハンバーグのソースやパンに塗るペースト、鍋料理の薬味としての使用もおすすめ。
各(130g) 756円、賞味期限:製造日から常温1年(開封後は冷蔵にてお早めにお召し上がりください)
※井筒屋担当者による赤い冒険シリーズ制作秘話についての記事はこちらから
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・・・地域と共に歩みながら、次世代にも届くような商品づくりに奔走する五嶋さん。今後の目標を教えてください。

「まずは醤油屋を長く続けていきたいと思っています。醤油業界はどんどん縮小している状況です。私が入社した頃、醤油屋は福岡県内に130社くらいありましたが、今は78社になっています。おそらく、食の嗜好の変化による消費量の減少や後継者問題などが大きな要因でしょう。ですが、意外にも全体の製造量は以前とそんなに変わっていません。理由は、海外への輸出や外食産業の消費は伸びているからです。
そこで、地方の小さな醤油屋を長く続けていくための策として、当社も海外への販路開拓を進めており、現在はアフリカ大陸と南米以外の地域で販売させてもらっています。ですから、今後うちの商品が大陸を制覇し、全世界で販売されることが個人的な夢であり目標ですね」。
・・・現状に満足せず、常に行動し続ける“原動力”とは?
「ごとう醤油に入社したての頃は、修業先で培った大手のノウハウが使えないし、お得意様への宅配という昔ながらの商売が主流で、先が見えず落ち込んだ時期もありました。でも、展示会での先輩との出会いから、自分の置かれた状況や店の問題点から目をそらさず、打破するにはどうすれば良いのかを一生懸命考えるようになりました。やはり“代々続いている醤油屋を終わらせたくない”という強い想いが原動力になったと思います。
そして、何より100年以上もごとう醤油が暖簾を掲げていられるのは、地元の人たちが支えてくれているお陰です。これからも地元の人たちと一緒に何かをしたいし、地元・北九州を盛り上げたいという気持ちが、新たな原動力になっていると感じます」。
・・・最後にお聞きします。五嶋さんにとっての“サステナブル”とは何でしょうか。
「やはり醤油屋を長く続けるために、持続可能な経営に取り組むこと。そして、日本の食卓に欠かせない醤油を、いかに後世につなげることができるかが、自分にとってのサステナブルでしょうか。
信頼できる農家の方たちと知り合い、良好な関係を構築することから始まり、地域の食材を使って地産地消に取り組み、時代のニーズに沿った新しい調味料を作ること…全てが息の長い商売を続けていくためのものであり、小さな醤油屋としてのサステナブル経営だと思っています。
北九州には魅力的な農家さんが作る、おいしい食材がたくさんあります。そうした“北九州の味”を、絶やすことなくつなげていくにはどうすれば良いのか、醤油屋だからこそできることを考えながら取り組んでいきたいですね。そして、より多くの方に、地元・北九州の味を楽しんでもらうとともに、商品を開発・製造することで地域の活性化に努めて参ります」。
今回、井筒屋とごとう醤油でタッグを組んだ「赤い冒険シリーズ」の3商品も、北九州の美味しいトマトを多くの方に知ってもらい、楽しんでもらえる自信作となりました。
井筒屋はこれからも地域活性化につながるような商品を、北九州の作り手たちとともに開発し、地域貢献を続けていきたいと思っています。
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【サステナブルピープルVol.9】
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国産SAFタスクフォース マネジャー 安部やよいさん